おじさんルーキー【コラム】

11月3日オープン。のこのこ書店です。
是非ご来館ください。

おじさんルーキー

ふと、森高千里がイヤホンから歌い始めた。

「私がおばさんになったら、あなたもおじさんよ」

そうだよなあ。もう僕も30歳。おじさん街道に片足を突っ込み始めた年齢である。
そりゃあまだまだ諸先輩からすれば若年層なんだけど。

階段登れば息が上がる。
急に走ったら足を痛める。
二日酔いが尋常じゃなくきつい。
疲労感が取れない。
疲れていても沢山寝ることが出来ない。
筋肉痛が二日遅れで来て、取れるまでに2日かかる。

そのほかも、上げ始めたらきりがない。
どことなく、酒の席で説教くさくなってきた気もする。
後輩をいじった時に、苦笑いされる回数が増えたり。
SNSには、それなりにしかついていくことが出来ず。

おじさんは、徐々に露見してくる。
森高千里は今も若々しくミニスカートをはいている。若い子には負けるんじゃなかったのか。
旦那の江口洋介は、これっぽっちもお腹は出ていない。
かくいう僕はおなかが出てきている。

先ほども言ったが僕は30歳。
おじさんに片足、いや肩までどっぷりとつかり始めている。

しかしながら、おじさんと呼ぶにはまだ少しだけ若い。
まだまだおじさんルーキー。

実際に、「まだ若いね!」と言ってもらうことも多い。
30歳なんてそんなものなのかもしれない。

しかし、だ。
20歳の時、30歳はどのように見えていたか。
それはそれは、大人だと思っていた。もはや、悩み事などはほとんどなく、子どもがいてパパで、なんか色々やっていて貯金も沢山あって。

そんなイメージを僕は持っていた。

30歳になった自分は、果たしてそうなっているか。

今のところは、まだまだ「大人」にはなり切れていない。

多くの貯金はあるわけではないし、悩み事なんて多くってハゲてくるし。
ハゲたくない一心で、髪の毛に気を使ったりしている。
困ったものだ。

このおじさんルーキーの年代って、難しい場所だ。

先輩方からは「まだまだ」という目線があり、後輩たちからは「かっこいい」と思われなきゃいけなかったり。どちらにもいい顔しようと思っても、実は難しかったりする。

自分は、いったい、どうなりたいのだろう。
その岐路に立っているような、そうはいってもまだ立っていないような。

「もやしもん」という漫画に、こんなセリフがある。
「30どころか40なっても一緒だぞ。こんなオヤジでも上から見たらガキ扱いだよ」

このセリフがすごく好きなんだ。

僕のようなおじさんルーキーは肩に力を入れて必死こいて背伸びをしようとする。
憧れる人、メンター。その人たちに追いつこうと、なんとか頑張って頑張ってつま先で立っている。

でも、そんなの必要ないのだ。
甘えるところは甘えたらいい。
だってさ、だれでもおじさんルーキーを卒業する瞬間があるんだから。

ルーキー卒業

この「卒業」って、ちょっぴり怖かったりする。

ちゃんとしなきゃって思っちゃうんだろうね。
何となく。

新卒で社会人デビューして、次に中堅になって、それから、それから。
常に、卒業して、ちゃんとしなきゃって思って。

ちょっとだけ、息抜きのタイミングが上手くなっていって。

その繰り返しだと思っている。

いつも、都度都度で自分を律して、なんとか変わっていくのかなあと思ったり。

年齢を重ねて、良かったなあと思うのは、出来る様になった時の感じが分かるようになってきた。
これがなかったんだよね、若い頃って。

出来なかったことが出来る様になったときに、自覚がなかったんだ。
とにかく、もがいてもがいて生きていた。

この経験は、やっててよかったなあと思っているけどね。
なかったら、やっぱりちょっと怖かったよね。

だから、ルーキーを卒業するタイミングってよくわからない。
いつになったらおじさんルーキーを卒業し、りっぱなおじさんへと成長するのだろうか。

今のところ、答えは見つからない。
知らず知らずに、そうなっていくんだろうな。

せめて、僕はかっこいいおじさんになりたいと思っているんだ。
僕なりに思うかっこいいおじさんに。

それが何かは、まだわかっていないけど。

さて、キムタクをまねてヘミングウェイでも読もう。
マックで。

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